北海道総体も中止、道高体連・平野会長「生徒の思いを考えるとつらいが、安全安心な大会を開催するには厳しい」

引用元:スポーツ報知
北海道総体も中止、道高体連・平野会長「生徒の思いを考えるとつらいが、安全安心な大会を開催するには厳しい」

 北海道高等学校体育連盟(道高体連)は28日、札幌市内で理事会を開き、今年の高体連夏季全30競技の支部、全道大会中止を決めた。新型コロナウイルス感染拡大により全国高体連が26日、今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)中止を決定したのを受けたもので、3年生への「代替大会」「救済大会」も開催しないことを決めた。

 道高体連の理事会には16人が出席。約1時間半の協議の末、平野雅嗣会長(59)=札幌白石高校長=が会見。すでに道高体連陸上専門部は日本陸連の加盟団体への競技中止・延期要請を受け、独自に支部、全道大会中止を発表していたが、その他29競技も支部、全道大会中止を決定した。

 平野会長は「生徒の思いを考えるとつらいが、安全安心な大会を開催するには厳しいと、全員一致で決定した」と話し、理由に次の4点を挙げた。〈1〉現在の感染拡大状況を見て、安全を確保することが難しい〈2〉休校、部活動休止が続く中、練習不足で故障が懸念される〈3〉大会で故障した場合、新型コロナ対応に追われる病院確保の困難が予想される〈4〉開催自治体への大量の選手、関係者流入で感染拡大が懸念される―。

 最後の高体連大会が消滅した3年生への救済、代替大会に関しても「収束の見通しが立たない中、3年生に(確証のない)期待を持たせるのは良くない。道高体連としては実施しない」と話した。

 この決定を受け、各校指導者も複雑な反応を見せた。とわの森三愛バドミントン部の妹尾将義監督(42)は「大会は無理でも、感染収束後に、3年生に3年間の証しを実感できる、交流会などを実施できないものか」と話す。道科学大高卓球部の井上大介監督(43)も「3年生にはせめて、感染が落ち着いた後に、支部単位で会場を分散させて、“区切り”となる舞台を用意してあげたい」と希望した。

 平野会長は、道高体連主催で秋以降に開催予定の全道高校駅伝、ラグビー、スキー、スケートに関しても「感染状況を見ながら、今後協議していくことになる」と説明。先行きは、不透明な状況だ。道高体連の決定は、夏の甲子園につながる地区予選が6月27日に開幕予定の道高野連の活動、事業への影響も懸念される。(小林 聖孝) 報知新聞社