新型コロナウイルスの影響で、全国に緊急事態宣言が発令されて2週間以上になる。「外出自粛」「在宅勤務」「学校休校」で、朝昼晩の3食を家で食べる人も多いだろう。家にいる時間が増えると自然と運動量も減り、一日の消費エネルギーも減少傾向に。いつも通りの食事では体重、体脂肪率の増加につながる恐れがある。そこで最適なのが「アスリート飯」だ。ベストコンディションを維持するため、選手の食事は普段から低脂質で栄養素がたっぷり取れる工夫がされている。大事なのは3食をバランス良く取ること。特に朝食は大切で、朝から食事することで体温が上がり、エネルギー消費量も高まる効果がある。
【写真】料理に挑戦した動画を公開した奥原希望
競泳男子で東京五輪代表の瀬戸大也(25)=ANA=やバドミントン女子で16年リオ五輪銅メダルの奥原希望(25)=太陽ホールディングス=ら、世界トップクラスの選手を食と栄養面からサポートする味の素「ビクトリープロジェクト」の管理栄養士・水柿亜実さん(31)が、ウェブによる取材で伝授してくれたアスリート飯、通称「勝ち飯」の作り方とポイントを紹介する。(取材・構成=小林 玲花)
【汁物・カラダコンディショニング野菜だし鍋】
※ポイント 低脂質でコンディショニングに大切な「たんぱく質源」と「野菜」を十分に摂取できる一品。汁物は「うま味」が豊富に含まれているため、食事開始のスイッチとしての役割や食事の満足感を高める効果があり、食事量を調整しやすい。激しい練習や試合後などのコンディションを維持したいタイミングで提供しているアスリートからも人気の高いメニューである。ご家庭では朝、昼、晩に汁物として頂くも良し、鍋として一品で頂くも良し。
◆材料(4人分の例)
・たら(白身魚)4切れ
・えび(4尾)
・しょうが1/2かけ
・白菜1/4株
・にんじん1/3本
・しいたけ4枚
・長ねぎ1本
・木綿豆腐1/2丁
・水720ミリリットル
・味の素「鍋キューブ」うま味の野菜だし鍋4個(丸鶏がらスープなどを使って好みにアレンジ可)
◆作り方
〈1〉たらはひと口大に切る。えびは尾のひと節を残して殻をむく。しょうがはせん切りに
※ポイント たらは魚の中でも100グラムあたりのエネルギーが低い。ぶりの1/3分以下で選ぶ食材も脂質を抑えるポイントになる
〈2〉白菜は菜と芯に分け、葉は4センチ幅、芯は4センチ幅のそぎ切りにする。ねぎは斜め薄切り、にんじんは薄い輪切り、豆腐はひと口大に切る
〈3〉鍋に水と鍋キューブ4個を入れて火にかけ、煮立ったら白菜の芯、にんじん、しいたけ、ねぎ、豆腐を入れ、次にたら、えび、しょうが、最後に白菜の葉の順に入れて煮る
【主菜・豚肉のてりやき】
※ポイント 一般的には豚肉のロースが使用される料理だが、豚肉の中でも、もも肉を使用することで脂質量を減らすことができる
◆材料(1人分)
・豚もも肉100グラム
・しょうゆ大さじ1
・水大さじ1
・砂糖小さじ2
・ほんだし小さじ1/4
・キャベツ1枚
・ミニトマト2個
◆作り方
〈1〉ボウルにしょうゆ、水、砂糖、ほんだしを混ぜ合わせ、広げた豚肉にまぶす
〈2〉フライパンに油を中火で熱し、豚肉の汁気を切って1枚ずつ広げて入れる。焼き色がついたら完成
〈3〉千切りしたキャベツとトマト、完成した豚肉をお皿に盛る
【副菜・ほうれん草とにんじんのナムル】
※ポイント 免疫を高めるためにはビタミンA・C・Eを摂取することが大切。にんじんやほうれん草には豊富に含まれている
◆材料
・ほうれん草100グラム
・にんじん30グラム
・もやし100グラム
・ごま油小さじ2
・丸鶏ガラスープ小さじ2
◆作り方
〈1〉ほうれん草は5センチの長さに切り、にんじんは細切りにする
〈2〉耐熱ボウルにほうれん草、にんじん、もやしを入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で3分加熱
〈3〉ごま油、丸鶏ガラスープをあえて完成
◆記者が作ってみた
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が中心となり、朝昼晩を家で食べるようになった立場を代表して、「豚肉の照り焼き」「ホウレン草とニンジンのナムル」を実際に自宅で作ってみた。
「豚肉の照り焼き」はあっという間にできる。作り方もシンプルで、味付けとなるしょうゆ、水、砂糖、ほんだしをポリ袋に入れて、その中にお肉を投入し、もみ込めば簡単に、そしてしっかり肉と調味料が混ざり、お薦め。ご飯が進む味で、一品で満足できる。ももはロースより少し安く購入できるのもお財布に優しい。
ホウレン草とニンジンのナムルも調理工程も少なく、5分あれば完成。ホウレン草、ニンジン、モヤシと野菜もたっぷり。2品同時進行で作って10分ほど。しかもヘルシーで、栄養いっぱい。そして、洗い物が少ない。2品でフライパンと耐熱ボウルと菜箸のみ。時短料理にもなる。(小林 玲花) 報知新聞社
【レシピ掲載】アスリート「勝ち飯」でコロナに負けるな…低脂質で栄養素たっぷり、記者も試した
引用元:スポーツ報知