プロへの“就活”も先が見えない、それでも前へ 強豪・流経大サッカー部のいま「いまは我慢の時期。チャンスはあるはず」

引用元:4years.
プロへの“就活”も先が見えない、それでも前へ 強豪・流経大サッカー部のいま「いまは我慢の時期。チャンスはあるはず」

新型コロナウイルスの感染拡大により、開幕が延期となっている関東大学サッカーリーグ。5月30日からスタートする予定だったものの、さらに遅れることが決定した。同連盟の理事長及び全日本大学サッカー連盟の副理事長を兼務する流通経済大の中野雄二監督(57)は、先が見えない苦悩を口にする。

「命、健康が何よりも大事です。いつからリーグを再開するとは明言できない状況です。4年生に試合をやらせてあげたい気持ちはありますが、いまは我慢の時期。一人ひとりが感染を拡大しないように心がけないといけません。それが我が身を守ること、家族、仲間を守ることにつながります。この事態が早く収束するように全面的に協力したい」

「リーグ戦の文化は大切にしたい」という気持ちもある
毎年夏に大阪府を中心に行なわれてきた総理大臣杯全日本大学トーナメントの開催も、危ぶまれている。全国からチームが集まる移動のリスクは大きい。全地域で緊急事態宣言が解除されることが前提となるだろう。中1日、2日で実施される集中開催もネック。仮に大会中に一人でも選手らが発熱すると、どうなるのか。大会中止、当該チームの棄権など、難しい決断を迫られることになる。

この厳しい状況下でも、通年で行われる関東大学リーグ戦の開幕に向けて、尽力することを誓っている。「リーグ戦の試合数は、安易に減らしたくありません。試合は期日までには消化すればいい。リーグ戦の文化は大切にしたいです」

今季、中野監督は3度のリーグ優勝を誇る名門の復活に力を注いでいる。昨季は2003年に1部リーグに昇格して以来初めての降格となり、今季は2部で戦うものの、新3年生が主体となるチームの仕上がりには自信を持っている。「1部リーグでも優勝候補と言われるくらいの力を持っていると思います」

今春の練習試合では1部リーグの筑波大(3-1)、早稲田大(2-0)、中央大(9-3)、明治大(2-0)に完勝し、確かな手応えを得た。選手たちもリーグ戦の開幕を待ちわびているときだった。新型コロナウイルスの感染が拡大し、状況は一変した。他大学とのトレーニングマッチは3月下旬でストップ。さらに4月16日に緊急事態宣言が拠点の茨城県を含む全国に出されてからは、チームの全体練習も休止せざるを得なくなった。「当初は人数を制限しながらチームで練習していましたが、飛沫が飛ぶような接触プレーを避けるためにやめました。いまは無理して練習するリスクは負えません」