ナガマツ、タカマツ撃破で初Vに王手 五輪代表へ「自信」

引用元:スポーツ報知
ナガマツ、タカマツ撃破で初Vに王手 五輪代表へ「自信」

◆バドミントン 全日本総合選手権第5日 ▽女子ダブルス準決勝 永原、松本2―0高橋礼、松友(30日、東京・駒沢体育館)

 各種目の準決勝が行われ、女子ダブルスで18、19年世界選手権2連覇の永原和可那(23)、松本麻佑(24)=北都銀行=組が、16年リオ五輪金メダルの高橋礼華(29)、松友美佐紀(27)=日本ユニシス=組を2―0で下し、初の決勝進出を決めた。男子シングルスで2連覇に挑む桃田賢斗(25)=NTT東日本=は、坂井一将(29)=金沢学院ク=に快勝。混合ダブルスの渡辺勇大(22)、東野有紗(23)=日本ユニシス=組は3連覇に王手をかけた。

 永原がネット際にふわりと落とし、松本は両手を突き上げて喜んだ。ただの相手ではない。リオ女王のタカマツを破って初の決勝。松本は「ずっとトップで戦ってきた2人に勝ったのは大きい」と、喜びをかみしめた。国際大会ではタカマツに4勝(4敗)しているが、バド界に五輪初の金をもたらした憧れに変わりはない。永原は「タカマツペアが(五輪)金メダルをとったから目標にすることができた。すごく大きな存在。勝ててうれしい」と、感慨に浸った。

 過去5度日本一の相手に、持ち味を出し切った。第1ゲームは強打で押し切り先取。第2ゲームは中盤まで劣勢だったが、「何とか点差を離されないように」(松本)と食らいついた。ボレーから攻撃に転じる展開も光り、18―20から4連続得点。永原は「守るだけでなく、攻めのレシーブができたのが良かった」。高橋礼は「2人ともアタック力があって、どちらが前でどちらが後ろでも怖い。そこが強みであり、うらやましいところ」と、たたえた。

 今夏の世界選手権で2連覇した後は、準決勝の壁に苦しんだ。直近のツアーは4大会連続で4強敗退。国内戦でも「準決勝突破は国際大会にもつながる」と、永原は光明を見いだした。最大2枠の東京五輪出場争いのポイントレースは出場圏内の日本勢2番手(3位)ながら、3番手のタカマツが6位に迫る。今大会はレースに影響しないが、松本は「混戦で思うように結果が出せていない中、勝てたのは自信になる」と強調した。

 日本代表の朴柱奉監督は「レース後半戦に入り、メンタル、心理の部分は本当に大事だと思う」と話す。来年4月末まで、切符をめぐる正念場は続く。決勝は、五輪レースで首位の福島由紀(26)、広田彩花(25)=アメリカンベイプ岐阜=組と対戦が決まった。松本は「今日の勝ちを明日(決勝)につなげることが大切」。弾みのタイトルが、何より欲しい。(細野 友司) 報知新聞社