引用元:Number Web
「野球部が土日に『1日練習』やってたら、職員会議で『土日の部活はどちらか1日、2~3時間程度が望ましいのでは』って言われて、同調する先生がほとんどだったんです。学校のスポーツの現場って、こんなんでいいんですかね!」
【秘蔵写真】ヤンチャそうな吉田輝星に中田翔&森友哉、ゴツい平田に細い浅村。変な帽子をかぶる井口に投手・丸らの高校時代。
来るなり、息巻いた調子で中学軟式野球の先生が訴える。
もちろん、自分はそれでOK。選手たちも、あくまでも“希望者”が参加しているという。
「生徒たちも、どうなんだろ。みんな出るなら、自分も出ないと……みたいなアレもあるんでないの?」
中学軟式指導40年以上、地元ではカリスマのレジェンド先生が、軽く水を浴びせる。
「それだけはするな! って言ってるんです。そういうなれ合いだけはするな! って」
家の行事、体調のケア、勉強が遅れている生徒は学校に出てきて自習。何がなんでも練習優先というわけではないと、教員生活8年の若い先生は説明する。
「今日も家族の結婚式1人に、地元のお祭りで太鼓たたくっていうのが1人。ウチはそういうの、ぜんぜんありなんです」「だいたい、日本の野球の指導者は」そういうの、いいなぁ……。
レジェンドがつぶやいた。
「そういうの、すごくいいよ。野球ほど社会性を問われるスポーツはないんだ。部員50人、ベンチ入り20人、レギュラー9人、試合になったら1対1の一騎打ち……いろんな単位の人の関わりの中でプレーするのが野球でしょ。
その選手が野球しか知りません、やったことありませんじゃね。野球の選手ほど、いろんな経験をしていろんな場を知ってる必要があると思うよ」
大賛成だ。このレジェンド、年齢からしてもっと頭の固い人かと思ったら、逆に意表を突かれた。
「だいたい、日本の野球の指導者は、グラウンドの練習を信じすぎてるんだよ」
オレも昔はそうだったけどな、とすぐに付け加えて、本人も照れ笑いしている。
「練習はウソつかない! とか言って、グラウンドの練習ばっかりやってる。あれ、自分が安心したいだけなのよ。自分が安心したいから、試合の前の日までゴリゴリ絞って、当日ヘロヘロに疲れちゃってる。そこに気がついたのが、つい5年ぐらい前だったのが遅かった」
アハハと、他人事のようにレジェンドがまた笑う。