デスクワークの腰痛&肩こり予防に最適 すぐに実践できる「疲れないイスの座り方」

引用元:THE ANSWER
デスクワークの腰痛&肩こり予防に最適 すぐに実践できる「疲れないイスの座り方」

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「疲れないイスの座り方」について。

【画像解説】中野氏が紹介! 腰痛予防によい体幹トレーニング3種目

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 オフィスであれ自宅であれ、今、ビジネスパーソンはデスクの前に長時間座り、仕事をすることが当たり前になっていると思います。

 私のクライアントや友人・知人もほとんどがそのような毎日を送っていますが、彼らとの会話のなかで一度は話題に上るのが、「人間工学に基づいて設計された」という謳い文句のイス。皆、下手したらトイレとランチタイム以外、1日中、デスクに向かっているため、「腰痛や肩こりがつらい。人間工学に基づいてデザインされたイスは、長時間楽に座っていられるというから気になっている」……というのです。

 話の流れで私がよく聞かれるのは、「トレーナー目線でいうと、どのイスがおすすめですか?」という質問です。しかし、期待を裏切るようですが、私は「長時間、楽に座れるイス」は、いつもおすすめしません。なぜか? 楽に座れる、という点が問題だと思うからです。

 長時間、座っていることで起こる健康被害については、耳にされた方も多いと思います。

 オーストラリア・シドニー大学の研究によると、長時間座り続けることが死亡リスクを高めるという報告があります。座位の時間が1日4時間未満と比べ、8~11時間の場合は15%、11時間以上の人は、なんと40%も死亡リスクが上昇。ちなみに、同研究によると、日本人の世界平均座位時間は約7時間。これは、調査した世界20か国中、最長だそうです。

 座りっぱなしの生活を続けると、当然、臀部や脚の筋肉を使う時間が減り、下半身の筋肉はどんどん衰えていきます。また、体を動かしていないことにより、食事から得たエネルギーや糖を使い切れず、結果、肥満や糖尿病、高血圧などのリスクが高まります。

 さらに、座っている時間が長いと、同じ姿勢が続くことにより、体の一部に負担がかかり、疲れてきます。すると、よい姿勢を維持できず、本来、姿勢を支えていた筋肉も働かなくなる。これが続くと、猫背などの不良姿勢にもなります。

 欧米では日本に先んじてスタンディングデスクや昇降机がオフィスでも導入される動きがありましたが、これは、いかに座っている時間を短くするか、という発想からです。また、長時間、座りっぱなしでいると、ウエアブルウォッチの健康管理アプリからも、「立って動いてください」と指令が飛んできます。

 座りっぱなしによる健康被害が明らかなのに、なぜ、何万円ものお金を払い、「長時間、快適に座っていられるイス」を買い求める必要があるのでしょう? 私には「座っているだけでどんどん不健康になる」、怖すぎるイスにしかみえないのです。次ページは:中野トレーナーも実践している「疲れない座り方」を伝授

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