バドミントン男子シングルス世界ランク1位で1年延期の東京五輪出場を確実にしている桃田賢斗(25=NTT東日本)が、7月中の休暇を利用して中高生時代の6年間を過ごした第二の故郷・福島県で個人合宿を行った。所属事務所「UDN SPORTS」が合宿でのインタビューを公開し、現在の状況や延期となった東京五輪、今後目指すべき自身のアスリート像などを語り尽くした。以下はインタビュー前半部。
――以前のインタビューでバドミントンの捉え方が変わったと言っていたが、どう変わったのか。
「正直、何だろうな。自分がバドミントン選手として活躍する、周りの人に恩返しする、感謝の気持ちを伝えることが大事と思っていたところが、それよりもっと先の子どもたちだったり、次の世代の選手だったり、そういう人たちのためにも自分がもっともっとバドミントン界を盛り上げないといけない、リードしないといけないと思うようになりました」
――見えてきた課題は。
「プレーとしては攻撃力、攻撃面。そこはまだまだだな、というのはずっと課題にしているところかなと思います」
――新型コロナウイルスの影響もあり、違う環境でのトレーニングで得たものは。
「やっぱり、先が見えない中で戦うのは、自分に厳しくするのは難しいことだと思うんですけど。そういったところでも逃げずに自分と向き合って追い込んでいく、トライしていくというのは、正直、今のところ自分ではできていると思うので、そういった気持ちの部分は凄く成長できたかなと思います」
――その中で、成果があるとしたら?
「1つ1つの練習に対する気持ち。あとはいろんなアクシデントがあって、満足なプレーができない時もあっんですけど。そういったところでもしっかり向き合って、前にできてていたことができるようになってきている楽しさ、純粋にバドミントンを楽しむ気持ちは、凄く今の自分の良いところかと思います」
――福島に来た理由は。
「やっぱり第二の故郷だし、ジュニアの選手の凄く元気な感じというか、疲れ知らずなエネルギーが凄いところ。そういうところが初心というか、そういう気持ち、純粋な気持ちが絶対に大事だと思ったので、お世話になった先生もいますし、そういう人たちといろいろな話をしたり、子どもたちと話すことで自分も凄くエネルギーをもらえると思ったので、福島県を選びました」
――1週間くらいトレーニングをして、男女、中高生と何ゲームくらいやった?
「40ゲーム…?マジで40ゲーム以上やっていると思います。午前中だけで7ゲーム、8ゲームとかやったりしていたので」
――若い選手たちから刺激は。
「凄いうまい子がいっぱいいて。打ち方とか、シャトルの捉え方とか、ゲーム運びだったり。正直、自分でも忘れているところは凄くあって、ゲーム練習しながら自分が勉強になるくらい。この1週間でたぶん俺も強くなれたかなって。高校生、中学生と高め合えたかなと正直、凄く、思います」
――自分が子どもの頃とどっちがうまい。
「絶対、今の中学生、高校生の方が強いですね。技術もそうだし、フィジカルも。あと環境も凄くいいし、見ていて、なんかうらやましいなと思うところも凄くあるし。可能性は無限大だと思います」
――彼らへのアドバイスは。
「やっぱり僕自身ちゃらんぽらんなところがあって、この練習きついからやりたくないなみたいな、今日は疲れているからいいやと思うところが結構あるんですけど。そういう時にどれだけ頑張れるか。頑張れば頑張るほど、たぶんライバルとの差が開いていく、差を付けることができる。そういう時こそ、頑張ってもらいたいなっていうのは言いたいですね」
桃田賢斗、第二の故郷で語る(1) 世界1位の自覚「次世代のため自分が盛り上げないと」
引用元:スポニチアネックス