桃田、’19V締め!ギンティンに逆転勝ちし五輪に弾み/バドミントン

 バドミントン・ワールドツアー・ファイナル最終日(15日、中国・広州)各種目の決勝が行われ、男子シングルスで世界ランキング1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が同8位のアンソニーシニスカ・ギンティン(23)=インドネシア=に逆転勝ち。4年ぶり2度目の優勝を果たした。今季11度目の国際大会制覇。女子ダブルスは世界選手権2連覇の永原和可那(23)、松本麻佑(24)=北都銀行=組が初優勝を逃した。男子ダブルスの遠藤大由(ひろゆき、33)、渡辺勇大(22)=日本ユニシス=組も同種目の日本勢初制覇はならなかった。

 意地のぶつかり合いを制した。桃田が決勝で世界8位の実力者を破り、前身のスーパーシリーズ・ファイナルを2015年に勝って以来、4年ぶり2度目の優勝。走り続けた東京五輪前年を笑顔で締めくくった。

 「心が折れそうになったが、サポートしてくれている人たちを思い出した。折れるわけにはいかなかった」

 世界王者がここ一番で底力を見せた。1-1で迎えた最終ゲーム。5-4から8連続失点し、ライバルと認めるギンティンに追い詰められた。それでも、相手の姿勢が消極的に映り「冷静になれた」と7連続得点。最後は21-14と突き放し、1時間27分の熱戦に終止符を打った。

 「すごくきつかったけど、『よくやったな』と自分を褒めたい」

 昨年9月から世界ランキング1位を守り続けた。4月下旬からの東京五輪出場を懸けた1年間のレースでは、これで7勝目。今大会に臨んだ段階で五輪出場を確実にしたが、今回の優勝で獲得ポイントが10万点超となり、今後のレースを欠場したとしても誰も届かないような数字にまで積み上げた。

 堅守を武器にした昨年からの進化を目指してスピードを強化してきた。磨いてきた攻撃的なスタイルは、各種目の年間上位者と世界選手権優勝者の8人が出場した今大会でも威力を発揮した。

 「このままだといずれ抜かれて置いていかれる。来年もスピードを上げてコントロールすることをテーマに、もっと上を目指す」

 違法賭博問題で16年リオデジャネイロ五輪には出場できなかった。初心を忘れず、感謝の気持ちを胸に、桃田が金メダルを狙う東京五輪イヤーに挑む。