緊急事態宣言…トレセン閉鎖…東京五輪を目指す選手は今 自宅トレやSNSでのファンサービス、施設が使えれば自主練習も

引用元:中日スポーツ
緊急事態宣言…トレセン閉鎖…東京五輪を目指す選手は今 自宅トレやSNSでのファンサービス、施設が使えれば自主練習も

 新型コロナウイルスが猛威をふるい、東京都など7都府県に緊急事態宣言が発令された。その対象地域で活動している多くのトップアスリートが、通常通りの練習に取り組めていない状況にある。日本代表の強化拠点である味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)も5月6日まで閉鎖。来年夏に延期となった東京五輪を目指す選手たちは今、どうしているのか。

 本拠地の自治体が運営する体育館を練習場としているチームは、完全に活動停止状態だ。バドミントン日本代表選手を多く抱える日本ユニシスは、拠点である東京都江東区内の体育館が発令前に閉鎖。選手たちは現在は監督から個別のメニューを渡され、自宅トレーニングに取り組んでいる。

 女子ダブルスでリオデジャネイロ五輪金メダリストの高橋礼華(29)、松友美佐紀(28)組、混合日本勢のエース、渡辺勇大(22)、東野有紗(23)組ら全英オープン(3月15日閉幕・バーミンガム)出場組は大会以降、室内練習ができていない。帰国後は感染拡大防止のため、日本協会に14日間の自宅待機を命じられ、解除となっても体育館はすでに閉鎖されていた。「選手たちもうずうずしていると思う。ただ今は無理はできませんので…」とチーム担当者は選手たちの心境を思いやった。

 日本代表の司令塔、富樫勇樹(26)が所属する、プロバスケットボールのBリーグの千葉も拠点としている体育館が閉鎖。リーグも3月末に中止が発表され、以降も使用できる体育館を探して選手たちの自主練習の場を提供していたが、それもできなくなった。選手たちは自宅待機を余儀なくされている。

 広報担当者は「感謝祭もできないので、ファンに楽しみを提供しようと紅白戦の開催も考えていましたが、それもなくなり…。ただ今は選手たちもSNS上で色々と発信してくれています」。厳しい状況下でもファンへの気遣いを忘れない選手たちに、感謝を込めた。

 一方で練習拠点を保有するチームはどうか。男子バレーボール日本代表の清水邦広(33)らを擁するパナソニックは全体練習は休止したが、大阪府枚方市の体育館を自主練習の場として開放。複数人との接触をさけるため、選手数人で班分けして時間ごとに区切って使用することを検討しているという。

 以前から不要不急の外出の自粛要請はしているが、緊急事態宣言下でも問題ないとされる体力増進や健康維持目的のランニングなどについては、認可している。「ただ選手も見られる立場。チームの中から『こんなときに何をしているんだ、と思われるかも』と言う話も出ました」と広報担当者。なるべく体育館内で充実した練習ができるメニューなどを考えていく方針だ。

 バドミントン男子のエース、桃田賢斗(25)が所属するNTT東日本は、選手が生活する寮の敷地内に体育館があり、開放して自主練習の場を提供。集団利用をさけるために全体練習は休止している。