「シダマツ」ペア4強進出「ひたすら足動かした」

引用元:日刊スポーツ
「シダマツ」ペア4強進出「ひたすら足動かした」

<バドミントン:全日本総合選手権>◇第4日◇29日◇東京・駒沢体育館◇男子シングルス準々決勝ほか

【写真】松山とバックハンドで打ち返す志田

秋田・八郎潟町出身の志田千陽(ちはる、22=再春館製薬所)が、松山奈未(22=同)と組んだ女子ダブルスで初の4強進出を決めた。第4シード桜本絢子、高畑祐紀子組(ヨネックス)との準々決勝で第1ゲームを先取されたが、フルゲームの末に逆転勝ち。今季は日本B代表として国際大会に参加し、東京五輪出場権争いにも加わって実力上昇中だ。今日30日の準決勝では昨年女王の福島由紀、広田彩花組(アメリカンベイプ岐阜)と対戦。20年東京五輪は厳しいが、24年パリ五輪出場への足掛かりにする。

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「シダマツ」ペアの笑顔が最後に爆発した。志田は歓喜の叫びだけでなく、ネットにぶつかるほど派手なガッツポーズ。「興奮してしまって頭が真っ白。そんなところも自分らしいのかな」と苦笑い。第2ゲーム途中には懸命なレシーブで足を滑らせ転倒し、一時は右太もも裏に違和感。第3ゲームにはでんぐり返しするほど体を投げ出す場面もあった。苦しみ抜いた末の逆転劇に笑顔が止まらなかった。

序盤は、らしさを欠いた。6連続失点など、速くて巧みなローテーションが消された。「焦っちゃってガチャガチャになって、苦しくてどうしたら良いか分からなくなった」。2ゲーム目以降、気持ちを整理し、2人で意思統一。最終ゲームは4-9から志田が7連続得点で勢いを加速させた。「自分たちのプレーをぶつけていこうと、ひたすら足を動かしました。最後は攻め続ける2人の気持ちがすごくかみ合った」。上位進出ならA代表入りのチャンスを得る可能性が高いだけに、貴重な1勝をつかんだ。

今季は夢の五輪出場に向けて国際経験を積み、1歩1歩階段を昇ってきた。7月の全米オープン制覇。今大会直前の韓国マスターズでは決勝でリオ五輪金の高橋、松友組(日本ユニシス)を2-1で破って優勝した。「オリンピックレースをB代表でも経験して、強いペアの五輪への緊張感なども感じ、勉強になっている。正直、自分はパリかなと思っている」。現在は「タカマツ」「フクヒロ」「ナガマツ」の世界に誇る3強が君臨。今回は一角崩しで「シダマツ」の成長を披露してみせる。【鎌田直秀】