バドミントン窓開放で“難敵”の風/ガイドライン2

引用元:日刊スポーツ

<スポーツ再開への道~ガイドラインあれこれ~(2)>

スポーツがある日常が少しずつ戻ってきた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動制限も緩和傾向。「密」を避ける、道具の共用禁止、少人数での練習などスポーツ界も動き始めた。国内競技団体(NF)を軸に、各競技が活動再開の指針を独自で制定。「スポーツ再開への道~ガイドラインあれこれ~」と題し連載する。感染防止に留意しながら、その競技ならではの問題に苦心する各NFの今を追った。第2回はバドミントン。

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わずか5グラムのシャトルを打ち合うバドミントン選手にとって風は“難敵”だ。協会が発表したガイドラインには「ドアは常時開放。換気は空調に加え、窓や扉を開放する」とある。本来なら禁断の練習環境に戸惑う選手もいる。

バドミントンの試合会場では一般的に扉は開けっ放しにせず、一般客の出入り口も制限している。日ごとにコートの配置も変わるため、選手は試合前の練習で必ず風の向きを確認。空調や、人が出入りする扉1枚の開け閉めで、わずかな流れの変化を感じるほど敏感だ。試合後に「風が前日と逆だったので気を付けた」などと話す選手も多い。

扉だけでなく、上階の窓を開けると、さらに風が舞う。空調でカバーできる体育館もあるが、設備が整ってない場所も多い。ある実業団の広報は「全開だと、強風や雨の日はかなり厳しい」と漏らす。

日本代表は7月1日から男子は富山、女子は秋田で合宿を行う。協会広報は「前例がないので、どのくらい開けるか検討中。体調管理のためには、仕方ない部分もある」と話す。2階の窓を開けるとカーテンも開けることになり、光が差し込み、白いシャトルが見にくくなる懸念もある。金メダルを狙う選手たちは、慣れない環境に対処しつつ東京五輪に向かっていく。【松熊洋介】